運動する習慣をつけて心を強くする
運動する習慣がある人は、そうでない人に比べてうつ病になりにくいことがあきらかになっています。この機会に運動する習慣をつけて心を強くしましょう。
運動はストレスと反対の作用を脳に与える
うつ病は心の病気といわれますが、実際はストレスによって脳機能に変調が起こっている状態です。
そのメカニズムは解明されていませんが、過度のストレスによって、精神を安定させる脳内神経伝達物質のセロトニンや、脳の神経細胞を増やす神経栄養因子が減少したり、感情のコントロールに関係する脳の海馬が委縮すると考えられています。
適度な運動にはこうしたメカニズムと反対の作用、つまりセロトニンや神経栄養因子を増やしたり、海馬の萎縮を抑える作用があります。また、運動にはストレスそのものを減らす効果などもあり、運動を習慣にすることでうつ病になりにくい心を作ることに役立ちます。
自分が心地よいと感じる運動を見つけて、続けてみよう
どんな運動をどれくらいすればよいかは解明されていませんが、さまざまな運動でうつ病を防ぐ効果が認められています。自分が心地よいと感じる運動をいくつか見つけて、スキマ時間や休日などに取り入れてみましょう。
ウォーキングなどの有酸素運動
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は手軽にできて効果的。セロトニンの分泌も促すとされている。
筋トレ
気持ちを前向きにさせる。有酸素運動と組み合わせると、より効果が期待できる。
ストレッチやヨガ
心身のリラックス効果が高い。ストレッチは寝る前に行うと睡眠の質を上げることにつながる。
スポーツやダンス、太極拳など
一緒に取り組む仲間がいると続けやすく、うつ対策の効果も高い。
疲れるほど行わず、「スッキリした!」と思えるくらいでOK。軽い運動でもよいので継続することが大切。
監修:公認心理師 上野 幹子